手は繋いだままで
中村 くらげ

部屋の電気は消してしまって

まっくらで物静かな夜

十一月はひたひたと

毛布の重みと共にやってきた


手は繋いだままで

寝息の輪唱を続けた

手のひらの温かさだけ

塗り重ねる肌寒い夜


夜はそんなに長くはない

秋はそんなに長くはない

そんなに長くはないものが

手を繋いだままで生き合っている




自由詩 手は繋いだままで Copyright 中村 くらげ 2013-11-02 10:22:22
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