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葉leaf

青いてのひらから立ち昇った 赤い煙と黄色い灰 今日一日は紫の雨が降る予報 誰かを呼ぶ声がする それだけが存在する人のいない社会で 色は色同士響きあい 次々と異なる色を生んでゆく 黄金の岩肌が銀色の葉を射出し 銀色の葉から茶色の太陽が昇り始める 色の集まりはやがて資本主義システムへ

天の火が増えて川の火もまた輝きを増した 圧倒的な火の季節がやって来たので 僕も感覚を静かに燃やし始めた 痛みはより痛くなったけれども 何もない感覚はいよいよ冴え切って 例えば目に映るあなたも実は空っぽで 今食べた食事の味も空っぽで 全ての空っぽの内側に 世にも美しい炎が幾筋も

余りにも多くのものが抜け落ちてしまった僕の体には いつの間にか草が生え木が根を下ろし 何千年もの間新陳代謝する林となった 僕の一生は人間であったのかそれとも林であったのか ただ土壌として林が移り変わるのを感じていた時期が最も幸せだったので 多分人間の幸せは死んでから訪れるものだ

朝未きの部屋の中から 光に浮いている泡を沢山手に取って口に運んだ 今日一日僕が泡のようにふんわり生きますように 泡が自然に萎むように 今日一日僕が無という幸福に近づきますように 泡が運んでくる記憶・歴史・伝統 それらの温みでお腹を一杯にして 労働でも余暇でもない真っ白な日が始まる


自由詩 twitter Copyright 葉leaf 2013-11-02 06:45:16
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