決められて秘められている
かんな



いろづいた
いちょうを編んで
やわらかなストールをつくる
ゆっくりと首に巻き
はしゃいで
みたりして
きせつは
名前など欲しがっていなくて
ひとり
通せんぼする散策路


 (きのうの電話で告げたの
 (もう決めているって
 (このあたらしいいのちとともに
 (生きていくこと


たったったっ


 )なまえはいらないって
 )そんなこと言わないで欲しい
 )あらたないのちとともに
 )歩み方を考えよう


あでやかな
もみじを置いて
さりげないコースターにする
ささやかに緑茶を注ぎ
隠れた
あまみを堪能する
きせつは
色彩など欲しがっていなくて
ふたり
手を繋ぐ帰り道


 (ねえ知っていたのでしょう

 )さあ知っていたのかもね


自由詩 決められて秘められている Copyright かんな 2013-11-01 12:59:03
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