恵贈
純太

朽ちる物質はいずこへ
俺の動脈に記憶される
一つの日時計となる

形なき真実はいずこへ
真心という舞台に
役者は惰性の流れ
さらに垂下した綺麗なカーテンが
それなのか
せつなき寂しき俺よ

相補であろう宝石はいずこへ
ああ 一人きり
あなた達がいない街を歩くと
遠い涙が道案内をしていた

あなた達の世界はありがたく
手から放たれた瞬間と
贈られた瞬間が混和し
俺の昼と夜は
まず無常の悲しみへ
それから下地で
確実に荘厳に昇りゆく地層のように
いくつもの創世を織っていた

先々もこの命
継ぐ宿命であれ

四季のどれかで息絶える時
いつかの四季を飾りにして
土の中へ沈み
昇りゆきたい


自由詩 恵贈 Copyright 純太 2005-01-09 23:39:10
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