セーター
龍九音


ひとはり、ひとはり想いを込めて
大好きなあの人へ贈りましょう
私の拙い手編みのセーター
あの人は受け取ってくれるでしょうか

いつもの街角、いつもの時間
大好きなあの人を待ちましょう
初めての恋を伝えるために
心を込めたセ−ターに全てを託して

突然起こった冬の嵐に
私は立ちすくみ震えています
あの人の隣に知らない女が
楽し気に腕を絡めて歩いています

それでも渡そう 渡せない
私の心は決まりません
あの人の後ろ姿が霞みます

初めての恋は消えぬまま
そっとしまっておきましょう
セーターは今も私の手の中に・・・


自由詩 セーター Copyright 龍九音 2013-10-31 15:49:08
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