闇を巣食う
ヒヤシンス

さみしげなあなたの面影が私の感性と同調する。

あなたは燦々と輝く太陽を信じてはいないのでしょう。
あなたは夜空に瞬く星星の光を吸収して、
数々の詩を編みました。
ボードレールの戦慄の泉を飲み干した偉大な狂人よ。

あなたは昼間の傍観者であり、その枠からはみ出した異端者。
夜の魔力のみを信じ、今宵も漆黒の美酒に酔うのでしょう。
香りに対する執着は尋常ではなく、
愛ゆえにこそ香りをその身に封じ込める術を心得た孤独者。

今宵あなたは机上の黒薔薇に生贄を捧げる者。
赤いインクを滴らせたペンを紙上に滑らせ、
無意識の内に、魔性の言葉を編む、愛すべき人。

愛と美に取り憑かれたが為に、孤独を貫き、
一人夜を賛美する鬼神よ、黄色い息を吐け!
あなたの描いた黄色い蟇がこの闇を巣食うまで。

さみしげなあなたの面影は今、深く私の感性と同調するのだ。


自由詩 闇を巣食う Copyright ヒヤシンス 2013-10-24 18:07:17
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