砕けた月の破片は約二十億個
左屋百色

青月

青月の現代、
詩に興味のない子供たちは
わざと水たまりを歩き音をたてる
それは未来まで響く
大人たちは
水たまりをよけて歩き
詩をよんで
陸もない海もない道もない
地図をつくる

赤月

赤月の現代、
詩の導火線は短い
水たまりに映る孤独
そんなことについて
詩をかくつもりは一切ない
月明かりで
透明な地図に
まずは水たまりをかく

無月

無月の現代、
詩は説明書などない
青い糸に絡まって
赤い詩が花火のように
打ち上げられたら
星がゆれる
星座が変わってゆく
見上げていたら
水たまりを踏んでいた



自由詩 砕けた月の破片は約二十億個 Copyright 左屋百色 2013-10-23 15:16:58
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