猫のあたま
灰泥軽茶

私はずっと犬が飼いたかったのだけれど
今でも犬の散歩などをみると
羨望の眼差しで見てしまうのだけれど
いつも家には猫が居た

だいたい野良猫がそのまま居ついて
或る日ふといなくなったり
別の良く似た猫がひょっこり現れたり
子猫を産んだり
ベランダの下でひっそり死んでいたり
貰われていったりして
代わる代わる
何代か続きながらも
いつも猫たちが
家の中や外をうろうろしていた

家を出て
マンション住まいするようになってからは
通りがかりの猫を
可愛いと思うこともないのだが
ときどき公園でお菓子を食べながら
ぼうっとしていると
すり寄ってくる猫のあたまをみると
なぜだかとても滑稽で愛らしく
いつも居た猫たちのあたまを思い出し
撫でてあげたくなる



自由詩 猫のあたま Copyright 灰泥軽茶 2013-10-22 23:25:42
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