なんてことない日々のおわりに
かんな



やわらかな水面を蹴って
そらへと羽ばたいていた
こころの一部が
いまだ純白であるならば
水蒸気になり雲になり
わたしを宙へと導いてくれるような
気がしたからだ


ジャスミン茶のほのかな匂い
こうばしい焼き菓子
あまさは女の子という生き物の
唯一無比な武器である
女体がまとった未熟さを取り払って
おとなの女になるというのは
瑞々しいひかり


晴れた日にそよ風に乗せた
ラヴレターが
雨の日に冷たく濡れ
ぐちゃぐちゃなおもいを
温風であたためて
受け取ってくれたこと
読み取れない文字列があいだと
気づいてくれたこと


ことばに出来ないものも
この世には多いものよ
一生のあいだ
石として飲み込んでいなければ
ならないものもあるのよ
覚えておきなさい
という
あなたのこころの石が
割れることはなかったのでしょうか


空から見る地上は濡れていた
両手を広げ
抵抗を抱く
涙のひとかけを集めて雨は降るのか
こころの一部が漆黒であるなら
どうかはやく
闇を連れてきてほしい
夜が訪れたなら
晴れる明日を星々にねがう







自由詩 なんてことない日々のおわりに Copyright かんな 2013-10-22 15:37:11
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