ひとり
もっぷ

冬の手前に立ちきのうをみる
一本の樹の梢に雀が居るばかり
彼らだけにわかる言葉で
話をしていて

ほかに息吹きの声はなく
かといってコンクリートなどもなく
荒野というわけでもないここは

ほんの一瞬でそれは消え
町の、町らしい喧騒が戻った
日常わたしが選り好みして勝手に
腹を立てたりしている風景

もう一度冬の手前に立って
きのうをみようとするが
そんなものはなかったどこにも
垣間みたあれは

開いていない窓のどこかから風が訪れ
カレンダーを揺らす

きょう以外の数字がぱらぱらと床に
こぼれていつかみえなくなった
この部屋には
ここには




自由詩 ひとり Copyright もっぷ 2013-10-20 20:00:55
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