Edge
夏美かをる

あなたの言うことは
どんな時でも正論で
つけいる隙なんかありゃしない

あなたのシャツにはいつだって
きっちりアイロンがかけられていて
一筋の小皺でさえ見当たらない

あなたの書く文字は
まるで教科書体そのもの
計算された通り正確に動く
あなたの手はいつも冷たい

きっとあなたが線を引けば
それはどこまでもずっとまっすぐなんだろうね
長い長いものさしを使ったみたいに

だけど、あなたは完璧じゃない
あなたの放った直線が
私の胸を引き裂いて
ぱっくり裂けた乳房から
真っ赤な血が噴き出しているというのに
あなたはその震える輪郭でさえ
きちんとなぞろうとはしないのだから


自由詩 Edge Copyright 夏美かをる 2013-10-19 16:06:03
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