無力
nonya


サラサラと嘲りながら
指の隙間から
零れ落ちていったのは
砂で出来ているのを
忘れかけていた
いくつもの季節と朝焼け

パタパタと蔑みながら
手のひらから
飛び立っていったのは
うまく手なずけていると
思い込んでいた
いくつもの幸運と青空

きっと助けてやる
なんて
嘘をついちゃいけない

降りやまぬ冷たい雨の中
わざとらしく傘もささずに
ただ祈り続けているのは
いったい誰なんだ

きっと守ってやる
なんて
思い上がっちゃいけない

吹きすさぶ向かい風の中
今更ながら天を仰いで
ただ立ち尽くしているのは
いったい誰なんだ




自由詩 無力 Copyright nonya 2013-10-12 10:19:32
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