書類
2012

書類

古い書類の山  うずたかく積もった

経年の澱

過去の人々の 喧騒に満ちたやりとりが

音や意味を宿す文字という「しるし」に刻み込まれている

その配列の中に

三年前や五年前の自分を見つけて

何とも言えない気持ちになる



ゆうひの射し込むひろい窓辺で

おれんじいろの哀愁に滲む、もう意味をなさない記憶の数々

捨てるとか忘れるということはものすごく大事なことだとおもう

完全な忘却の後にはかならず

全く誰にも予想されないかたちで

新しい価値が生まれて来るのだから


過去を廃却しよう

迷いも哀しみもかみしめて

むかしの自分もさようなら








自由詩 書類 Copyright 2012 2013-10-10 22:05:49
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