残月
和田カマリ

弧を描く真昼の白い月
残月と呼ばれるのは
いつまで

楽になりたくて
あの女が手を掲げ
空に救いを求める時

見えない剃刀となり
その眼に飛び込んで
魂を切り裂いて欲しい

白い血が滲み出す
治らない傷口になって
あの女を腐らせて欲しい

弧を描く真昼の白い月
いつまでも不安のように
空に残り続けて

分からせて欲しいんだ
この俺を簡単に消すなんて
できない



自由詩 残月 Copyright 和田カマリ 2013-10-09 16:25:31
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