黄色いラジオ
YAMATOMO

ぐるんぐるんと取っ手を回せば充電できる黄色いラジオを見つめながら
本当に聞けるのかどうか

ぐるんぐるん 回したら思いのほか音がけたたましくて

隣の兄貴がなにしてるんだって言ってきた
なんでもないよなんでもないよ

なんでもないわけないだろう。ぼけと俺は五秒前の自分に突っ込みをいれたかった
やっぱり俺の相方は俺自身しかいないんじゃないかと思う

『被災地に送る奴』と書かれたダンボールにラジオを放り込み
部屋をボーっと見渡すと 

いささか、大掃除の装いを見せ始めたのは
時計が午後から午前に変ったからだろうか


自由詩 黄色いラジオ Copyright YAMATOMO 2005-01-08 01:48:44
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