シーソー
そらの珊瑚

死と生の間で
行ったり来たり
そして
時々 
つりあってみたりする
遊具

傾いた板の上を
滑り落ちてくる
日常という名の欠片
秋のうすい陽をまとい
氷砂糖のようにきらめく
しいちゃんの
穴あきポケットから
どんぐりが転がり落ちてくるのに
わたしが拾う前に消えてしまうのはなぜ?

まんまるじゃないから
まっすぐ
すすまない
だからおもしろいんじゃん
わたしたちは
いびつな形を
愛していた
夕焼けが沈んで
しいちゃんの影だけが
なぜか
とても濃かった

想いは
やがて質量を産みだし
ごっとん
蹴り上げて
私のひとりシーソーがまた動く



自由詩 シーソー Copyright そらの珊瑚 2013-10-06 07:40:09
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