世界が振り向くまで
yamadahifumi




例えば、皆が大きな大人に見える時

僕は僕の心に火を灯す

・・・もう、どんな言葉も吐かれてしまい

・・・もう、どんな物語も描かれてしまった

人における幸福は全て決まっているのに

そして、そんな同級生達も先輩達も後輩達も皆

それぞれ、定められたコースをなぞっているというのに

どうして、僕だけが意図して都市の迷路に迷い込むのか?

どうして、こうやって電脳の街路で彷徨うのか?

・・・そんな事が気になる時、僕はこうやって

言葉を使い、自らの心に火を灯す

僕の親友は僕の魂だけ

僕の妻は僕の肉体だけ

僕の世界は僕の内部だけ

全てを『僕』の中で完結させるのは、ひとりよがりな事だろうか・・・?

だが、外界があらゆる無意味な騒乱の元に置かれている時

自分の内部に一つの宇宙を発見する事は、おそらく

全ての人にとって罪だとしても、天界におられるあのお方にとっては

罪ではないに違いない・・・

僕は神を信じてはいないが 少なくとも

人間よりも優れた美しいものがあるとは常々感じている・・・

芸術家達はいつも、その片鱗を僕達に見せ

そして、その短い生をとりあえずの所、『人間』として終えたのだ・・・

そんな事を言っている間に、僕のこの詩は長たらしいものとなり

自分が、最初何を言いたかったのかさえ、僕は忘れている・・・

全てが大河のように流れていくように、僕の魂もまた流れていけ・・・

人々の中で孤独を保つ事があたかも、君の生命であるかのように

そんな風に『君』はこの世を渡っていけ・・・

決して、常識を忘れる事なく

いつも、世界に首ねっこを掴まれた存在でありつつ、その頭脳に

この全世界を破滅させ、そして再創造する力を秘めつつ・・・

そうやって、君は世界を渡って行くんだ・・・

いずれ、世界は君に振り向くだろうから・・・




自由詩 世界が振り向くまで Copyright yamadahifumi 2013-10-04 14:50:14
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