hiroto22

寝しなに

「おかあさん、
あと二時間くらい手ぇつないどっていい?

やっぱり、
いっしょう手ぇつないどっていい?」

そう言ったかと思うと
すぐに寝息が聞こえてきて
繋いでた手は離れていこうとする
私は切ない気になって
ぎゅっとその手を両手で握り
しばらく温もりを噛みしめる

小さくて
弾力があって
いつもポッポッと熱くって
可愛くて愛しい手

その手は
握り返してくれるでもなく
そうして
そうっと手を離し
毛布を肩まで掛けてやる


キミはもう
夢の中

心はもう
夢の中

そこは
私の手の届かないところ



自由詩Copyright hiroto22 2013-10-03 23:00:19
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