時の端っこ(米寿を迎えて)
信天翁

(青年期)
にびいろの空にぶら下がっていた
的をはずれた青い春の無駄矢が
(中年期)
秒針がブツブツしわぶいていた
赤い夏の夢を償却できた気楽さで
(高年期)
白い秋の月が窓を覗きこんでいた
おらの瞑想の深度はいかがかと
(老耄期)
黒い冬の舞台は緞帳が降りかけている
ザ・エンドの立札の米俵を袖に放置して


自由詩 時の端っこ(米寿を迎えて) Copyright 信天翁 2013-10-02 21:06:22
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