ホームの隅で
番田 


きっと今
歩くことが できるのだろう
たった今来た 電車は 乗るはずだった 電車だった
何度も人の横顔を乗り継いではやってきた


この街から出て行くこと
無理のない 女に走っていれば 自由だった
そうしては女の心を覗くこと
その全てが難しすぎる行為なのだと気づいた
魚の群れを 探していた
一人で遠くの街に見える海の中を漂ってきたのだ
水中の中に いくつもの詩が うかぶ
夢の中に ゆらいでいるものは幻だったんだろうか


砂漠の 毛布は
押し入れの中
息を忘れたトカゲとなって
自分が生き物であることも 忘れた
信じて そして
杖を掲げて


自由詩 ホームの隅で Copyright 番田  2013-10-02 00:40:43
notebook Home 戻る