君の夏
番田 


人の消えた風景の中
寂しい思い出がうかぶ
海の上に浮かんだ あの 木片
そして 夏が流れた


気づけば 過ぎた
寂しさとは つまり
二人の頭の中で営む恋愛ごっこ
手がつながれた あの日
網戸の裏にへばりついていた
カミキリムシ
スイカを 冷やした プールは
川の中にあるのだと気づいた


口紅を 免税店で 買わされた


流れていた
そして僕は 流されていた
幸せだ 街行く女は きっと
男だからこそ知っている




自由詩 君の夏 Copyright 番田  2013-10-01 02:01:06
notebook Home 戻る