彼岸花
八男(はちおとこ)


中庭に迷い込んできた彼岸花が一輪だけ咲いている

とても貴重に映り 華やかな感じがするが

当人(花)は場違いなところに来てしまったと

恥ずかしい思いをしているかもしれない




はるばる中華街まで会いに行った友達を笑かそうと

女装で向かったら 笑ってもらえなくて

いいから 早く着替えてと




あんなに悲しいパンストの脱ぎ方はない




しかし私などましなほうだ





花は 何より 咲いてしまっている




取り返しがつかない






どれだけ さぶかろうが(なんかすんごい・・やる・・きれない・・きんもちだろうが)




枯れるまで 咲き切るしかないのだ





そんな 彼岸花に 愛しさ いじらしさを感じ



なでなでしていたら  




茎が折れてしまった





ポッキン 





きっと そんな音がしたと思う


自由詩 彼岸花 Copyright 八男(はちおとこ) 2013-09-30 16:48:48
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