鈍行列車
草野春心



  向かいの家の窓から
  女が身を乗り出して下を見ている
  左手になにか小さいものを持っている
  それがなにかまでは見えない ここからは



  コンセントに埃が溜っている
  テレビは静かに歳をとり、
  なだらかに腐りつつある



  鈍行列車の窓から
  通り過ぎる景色を見つめている
  線路際に白い花が咲いている
  かろうじて
  という感じで




自由詩 鈍行列車 Copyright 草野春心 2013-09-28 13:26:07
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