エレクトロデイズ
番田 


誰も知らない部屋で
息を殺している
見ていた
遠い 街を


隣町まで行く
車に轢かれそうで少し怖かった気がする
ラーメン屋の前を 通り過ぎながら
自転車で こいでいく


花火が上がっていたっけ
八月は
それを見ていた 僕は
ビルの屋上の壁にいた


同僚のいた
辞めた会社からは
もう 音沙汰がなく
寂しい


新しいものは いつも 古く感じさせられる
新しいものは この街で すでにたち遅れている
渋谷で時代の流れを感じさせられている
一番たち遅れたものたちの中で


日が暮れる時 ネットに
出ていた
結婚はこれからの時代は難しい
そんな記事のことを 考えながら


ストリップ劇場のまわりの
消したくても消せないメロディーのような
僕の体にもしみこんでいる あの
退廃的な空気


僕に好きな人がいたことがあっただろうか
好きなものだとか そして
手に入れたいと思うものがあっただろうか
今日も駅へと歩いていく



自由詩 エレクトロデイズ Copyright 番田  2013-09-24 00:28:05
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