銀紙
草野春心



  銀紙のいたみが残っている
  なにをつつんでいたのだろう
  じょじょに
  曲がりくねり ながら
  朝になって夜になって
  夜になって
  夜になって
  言葉はみじかくなって消えた
  のせる机もなく
  たしかな椅子もなく



  靴下のなかにもぐりこんだ小石のことを覚えているかい
  サウンドホールで眠っている一枚のピックのことを?
  言葉はかなしくなって消えた
  そうなんだよ
  うろこははがれて
  みずにながれて
  じょじょに
  まがり
  くねり
  ながら




自由詩 銀紙 Copyright 草野春心 2013-09-24 00:16:25
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