自然な気配
加藤

話すことに疲れてしまったから
いつもうなずくだけで済ましてしまう
何か言おうとするけど
最後はやっぱりだんまりだった
それでも聞くことはやめないようにしたかった

こんにちは 元気?
そう言ってくれているような空気の動きや
おはよう ありがとう
時間が経過しながらふるえて聞こえる音
よろしく またね
足音と共に消えて残る
ずっと見つめたり 耳かたむけたりする

かたくなになった所を
私から動かなくても
ほぐしたのは 私じゃなく
そばに寄り添っていたものだった
そう気づいた時
力を借りることはいいことだろうと
ゆるい気分になった

気がついてみると 聞かれている
どうしたの 落ち込んでる?
大丈夫 本当だよ
そういう言葉に変えていく
強くてやさしい仲間たちの中で


自由詩 自然な気配 Copyright 加藤 2013-09-23 03:57:50
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