柔らかな影
nonya


本日は
絶好の洗濯日和

見上げる雲は
穏やかな光に浸されて

へたくそな君のハミングが
靴下とシャツの森で揺れる

色とりどりの洗濯バサミが
タオルと枕カバーの尾根で咲く

優しく溶けた空と
ピンクのサンダルの間で

すっかりくつろいだ
洗いたての白いシーツに

小さな君の影絵が映っているのを
ぼんやり眺めていたら

柔らかな影のパントマイムに
アカトンボがとまった

秋の吐息に促されて
僕は思わず眉を開いた




自由詩 柔らかな影 Copyright nonya 2013-09-21 10:21:56
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