月を食む夢をみる鳥
りゅうのあくび

彼女が突然
夜食にゆで卵を食べたいと云って
卵をふたつゆでた。
寝そべって
二人でひとつずつ食べながら、
話をする。

彼女には卵の黄身になってくれたら
僕は白身になって君を包みたいと云ってみたら
少しおなかが膨れて
二人は、「翼をください」を唄っていた。
もう まどろみのなか
眠る前に歯を磨く。

ぐっすりと
眠りにつくと
秋の深い真夜中にも、
鳥は卵の白い殻を破る。
二羽の鳥の
永い旅が始まる。
遠い夜空へと。
いつか大空に浮かぶ
月を食べる
夢を見るように、
大きく羽根を広げて。
夢の中をはばたく真似をしている。


自由詩 月を食む夢をみる鳥 Copyright りゅうのあくび 2013-09-21 06:48:49
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彼女に捧げる愛と感謝の詩集