秋よ、秋の虫たちよ
吉岡ペペロ

夜中どれだけ風が強く吹いても

虫たちの鳴き声はやまなかった

不安にふるえながら

ぼくはそのことに感心していた

遠ざけられたらまたおかしくなる

なのに秋の虫たちはやまなかった


朝そとにでて町を嗅いだ

甘くて粗雑な匂いがした

こすれた緑の匂いだった


夜中どれだけ風が強く吹いても

虫たちの鳴き声はやまなかった

不安にふるえながら

ぼくはそのことに感心していた

遠ざけられたらまたおかしくなる

なのに秋の虫たちはやまなかった









自由詩 秋よ、秋の虫たちよ Copyright 吉岡ペペロ 2013-09-17 00:32:06
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