反射
はるな



ちかちか鳴る信号を無視して走っていた
向こう岸で恋人たちがまっている
わたしの心臓を四等分するために

海は干上がって
愛ばかりがのこった
だからこんなに走っても
満たされることはない 終ることも
はじまることも
許されることも

熊の群れが月光を浴びている
それでもまだ許すことはできる
塩だらけの体は
暗やみでしずかに反射する



自由詩 反射 Copyright はるな 2013-09-16 23:27:50
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