箱庭にて 黒傘の似合う男の子 桃色の似合う女の子
黒ヱ

幸せの意味求め 呟き合う
何度でも そう何度でも 飽きぬ空
ここが安寧の居所と決め 互い待ち合わせて
そこは ふたりだけの場所

「誰が為に」
ふたりの笑顔が揺れる その赤の映えるは
「何の為に」
繋がりの 途切れない願いの籠った 糸さ

「あなたを愛している」

葉桜と共に 指きりげんまん 小指が軋む
また過ぎた季節に咲く 綺麗なお花の頃
映る 花と共に染まる あなたが

「愛している 愛されている」

この散り行くことを 美しいと思える様になった
また過ぎ行くことを せがんでいる
進み続ける果てに 想いを馳せて



彼がいつでも また触れてくれる温度
それが待ち侘びた春 硝子玉 投げて

離れる隙間の無く 繋がり 結ばれ 
この先に在る 赤い縁の為だから

花びら 吹く風に乗り すすめ すすめ
それがどの道の 咲きの終わりだとしても また

早咲きの夢抱え 互いが照らし
満点の星空も晴らしてしまう 緑の道 二人の笑顔

黄昏の園に 嬉し悲しの蝶が舞う
辿り着いた二人の迷子が ほら笑って
音 口ずさむ度に 重なる音色


「素晴らしいこの世界で見つけた 素敵な思い出」


過ぎ行く季節は吹くよ 綺麗なお花の頃

「そうさ いくぞ すぐに いくから」

涙堪えて 波を縫って

「さあ すすめ すすめ」
木漏れ日を浴び 振り返る眼差しが向ける
昔からの乾いた心 笑顔が突き刺さる

秋口の風 赤を連れてくる また指きりげんまん 
次は 葉を見に行こう 隣に立って 
残す 景に映える あなたを

「愛している 愛されている」

幾度もの季節の風 この身に纏って
明日も過ぎ行き 思い残して 
それが 孤独を埋めて

消え失せぬ思い出の中
この花の数でも 指きりげんまん
照れ笑いを浮かべながら
二人ぼっちで安らいで



自由詩 箱庭にて 黒傘の似合う男の子 桃色の似合う女の子 Copyright 黒ヱ 2013-09-15 01:13:38
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