小石も混ぜて海に沈める (十首)
もっぷ

かなしくてなみだをこぼす闇のなか気配はきみのただの面影


アルバムに辿るあの日のよろこびもいまは一人の愚図のため息


二十四わたしの歳はその時に綴じこまれてるスチールのまま


窓際に赤く咲いてるクリスマスポインセチアは夏に黙して


夏が好き赤が好きだと言いながら裏切るように立った冬の日


きまぐれはいつもわたしのほうでした謝るあてが無い夜に泣く


ケータイは無情に時を止めたけどいまはほんとが止まってるんだ


みあげたらもしかしたらと仰ぐけどどこにも何も星の一つも


願いにはかなわぬものとかなうもの二つあるとは思っていない


最後の日言えないことば箱に詰め小石も混ぜて海に沈める



短歌 小石も混ぜて海に沈める (十首) Copyright もっぷ 2013-09-14 06:41:11
notebook Home 戻る