みらい
左屋百色

走りまわっていました。)図書館でファ
ミレスで墓地で迷惑の意味を知りませ
んでした。そして悩んでいました。校
庭で部屋で商店街で孤独に憧れていま
した。私はいつから空気が読めるよう
になったのでしょうか。散文よ、もっ
と散らばれ集まるな。ショッピングモ
ールの本棚には現代詩がないので3階
まで吹き抜けのエレベーターをいった
りきたりしているのです。2階でべビ
ーカー押す主婦を1階から虚ろな少年
が見て、いる。散文よ、もっと散らば
れ集まるな。手すりに左手を乗せ下を
向けばすこしは孤独になれるのでしょ
うか。ペットボトルのオレンジジュー
スはオレンジの味がしないので半分の
んでいつも捨ててしまいます。迷惑の
かからない場所へ。私は巨大な駐車場
でBー2だったかDー6だったかもう
憶えていないのです。それでも家へ帰
れてしまうわけでどうしても孤独には
なれないのです。散文よ、お願いだか
らもっと散らばれ集まるな。純粋すぎ
て歪んだ少女が何かをひとつひとつ集
ている。ペットボトルから現代詩があ
ふれだす。走りまわっていた子供たち
がそれを見て、いる。


自由詩 みらい Copyright 左屋百色 2013-09-11 21:31:09
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