みらい
左屋百色
走りまわっていました。)図書館でファ
ミレスで墓地で迷惑の意味を知りませ
んでした。そして悩んでいました。校
庭で部屋で商店街で孤独に憧れていま
した。私はいつから空気が読めるよう
になったのでしょうか。散文よ、もっ
と散らばれ集まるな。ショッピングモ
ールの本棚には現代詩がないので3階
まで吹き抜けのエレベーターをいった
りきたりしているのです。2階でべビ
ーカー押す主婦を1階から虚ろな少年
が見て、いる。散文よ、もっと散らば
れ集まるな。手すりに左手を乗せ下を
向けばすこしは孤独になれるのでしょ
うか。ペットボトルのオレンジジュー
スはオレンジの味がしないので半分の
んでいつも捨ててしまいます。迷惑の
かからない場所へ。私は巨大な駐車場
でBー2だったかDー6だったかもう
憶えていないのです。それでも家へ帰
れてしまうわけでどうしても孤独には
なれないのです。散文よ、お願いだか
らもっと散らばれ集まるな。純粋すぎ
て歪んだ少女が何かをひとつひとつ集
ている。ペットボトルから現代詩があ
ふれだす。走りまわっていた子供たち
がそれを見て、いる。