ずっとずっと
桜 歩美

いつまでも君は子供ではいない

いつまでも子供だったら困る


でもいつかこの家を出ていくと

言う日は来るんだろう


いくら成長して手が離れたといっても

きっと一番淋しいと思うのは

この家を出ていくよって言う日なんだね


その日が一番辛い日になるんだろう

でもその日は君にとっての一番のお祝の日でもあるんだろう

私にその日笑顔で君を見送る強さがあるだろうか

きっと駄目なお母さんは泣いちゃいそうです

君に後ろ髪引かせてしまうほどに泣いちゃいそうです


私のもとに男の子が産まれて

赤ちゃんの頃はずっと私の腕の中にいて

歩けるようになっても甘えん坊でくっついてばかりいて

いつも母の後をくっついていて

でもいつの間にか私の後をくっついてくる距離が遠くなり

そんな頃には君は小さなボーイフレンドのようで

なんかおかしかった


まだまだまだまだ

君は幼い

でも飛び立つ準備をしてる

少しずつ準備をしてる

あまりに子離れ出来てないお母さんに向かって

「そんなんじゃいつまでも僕が親離れ出来ないじゃないか」

って笑って言うよね

そうだねって言って

いつも淋しくなるんだ


いつもいつも嬉しいとき悲しいとき思いを受け止めてくれた君が

いつか隣りにいなくなること

男の子の母親ってみんなこんな気持ちになるんだろうか

女の子だったらもっと違うんだろうか

女の子を育てたことのない私にはわからないけど


一つ一つ母への秘密が増えていくのを知るたびに

切ない日々を送っている

それでもずっとずっといつまでも

どこへ行っても誰と結婚しても

なかなか会えなくなっても

君が私の子供であることに変わりはない

私が心の中でずっとずっと大切に思うことに変わりはないし

大切に思うことをやめることもない


あぁ私お母さんになれて本当に良かった

お母さんになれて相当幸せです

君のお母さんになれて本当に良かった


お母さんの手を握って離さなかったあの日のこと

お母さんって泣いてしがみついていたあの日のこと

君がくれたお母さんっていう名前

絶対に忘れない

どんな高価なものより最高の宝物


ずっとずっと

忘れない

ずっとずっと

大切


自由詩 ずっとずっと Copyright 桜 歩美 2013-09-07 22:37:34
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