琉球の秋 第二章
朝焼彩茜色

うりずんを引き伸ばしたような 潤いに手が届かない
密かにささやかさを歩かす 琉球の秋

和心を仄かに潜る紅葉は ダイバー達が潜る珊瑚礁
汗の止まらない蒼穹に 優しげな瞳を投げる 琉球の秋

性格を洗い人格を見極め 心入れ替える 新たな入門と門出を
此処で培った 大地の珊瑚の島 藍染がグラデーションを泳ぐ

零れ流した想いを 念に乗せ 轟かし また機会を得たい
帰れない海続きの時は 想い馳せ 永遠の南風の原の囁きを植える

弧を描き引き伸ばす 凍えない暖かな懐の柔い贈り物
大きな瞳に長い睫 こりの深い俤 縁に愛

 どのように泳ぎ切ったか おぼろげに海草が揺れる 私の余韻
 黄胡蝶の朱色に仲間と募る大胡麻斑蝶は私の瞬き

 どのように泳ぎ切ったか 足跡は一歩一歩 永遠に傾き
 今頃 うりずんが抱きしめて 微笑んでいてくれている

 そう想えないと締め付けられる 黄昏に擽る南風
 あいも変わらず その季節を苦しいほど 愛して止まない

 止まない

 止まない

 琉球の 秋


※うりずんとは、 潤い初め(うるおいぞめ)通常、初夏につかう


自由詩 琉球の秋 第二章 Copyright 朝焼彩茜色 2013-09-07 13:15:54
notebook Home 戻る