しろつめくさの海
みけねこ

かなしい

かなしい
のはしかたがないのだから
オレンジいろの実を植えよう
ひとつぶ

白い蝶がまい群集がなあに?あれはなあに?
ととう
ただしがきに埋めこまれたコスモスばたけの
透明なびんのなかに。

まるい
まあるい
それはいやじゃない。

形のないものを装飾し鞠をつくようにもてあそぶ

ひえこまないなまぬるさ
まじないはおとといかけた
ばかりだから今日はもう

めがさめて

潮騒とがらくたと右手をちゅうに
浮かしのぞきこむ
のぞきこめば
一秒あとのことがすぐにわかるよ
きっとすぐ


ぼくは

さくらが咲いたと思って
春が来たと思って
目をこすってこゆびをひきちぎり
(グロテスクなものがみたかったのだ)

いっちょうらの繭をまとって
あざむかれていたのだ

○という、かたち、完璧な。


自由詩 しろつめくさの海 Copyright みけねこ 2013-09-05 22:34:21
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