トワイライトイリュージョン
未有花
摩天楼が朱に染まる時
黄昏の時間も止まる
ざわめく雑踏もどこか遠くの
出来事のように消えて行く
ビルの窓から見た街も幻
トワイライトイリュージョン
歪んだ時間の狭間の中で
誰もがひとときの夢を見る
交差点で影が揺れる時
黄昏の夢も終わる
愚かな蝶のようにどこか虚しい
日が暮れても続く胸騒ぎ
蒼い闇に沈む街も幻
トワイライトイリュージョン
さまよう時間の隙間から見た
誰もが何かに怯えている
水銀灯の灯りが点る時
黄昏の魔法は消える
来るべき夜さえもどこか違う
ハイウェイに映る月の影
胸騒ぎばかりの街も宵闇
トワイライトイリュージョン
行きかう人の群れも途切れて
夜がひそやかに忍び込む
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夕暮れ詩集