まつりのあと
茶殻

櫓が曇天を衝き
提灯を揺らす矢来を抜けた夏の風

私の売った腎臓が
二度と郷里を求めずに

祭りの後は火薬のにおい
祭りの後は寝台車のにおい

何かになった私は
私になった何かになった


自由詩 まつりのあと Copyright 茶殻 2013-09-02 16:31:35
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