夏の終わりに (りんご飴第二章)
もっぷ


りんご飴のよく似合う
あの子たちの夏も終わる
闇を纏ってなどと
深刻に
傷つきやすいがままに

終わり間際にとわたしは
一篇を描いて
置いてみた

打ち上げ花火ではなくともかまわない
線香花火を集ってやってくれないかな

わたしの代わりに

繊細な彼らの繊細な指先が
繊細に花火の軸を持ち
その先で

散る時間

いま、の大切さを知ってほしいなどと
いうおこがましい気持ちからじゃ
なかった
それこそわたしは無邪気に
彼らのその指先に恋
焦がれていたから

憧憬でした

りんご飴のよく似合う
あの子たちの夏は
線香花火できっと理想的に
(わたしにとってだ
幕をおろし

瞬間散っていった火の粉は
彼らのおさなく無垢な夜に
生涯消えないあどけなさを刻印して
そこからは






自由詩 夏の終わりに (りんご飴第二章) Copyright もっぷ 2013-09-01 05:21:28
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