少年の靴
服部 剛
道の先には置き忘れた
少年の靴が、ひとつ
夏の日に照らされ輝いていた。
靴は近づき、通りすぎ、遠のいて――
ふり返るとやっぱり輝いている
あの少年の靴
いつのまに大人になっていたのだろう?
いつから置き忘れていたのだろう?
あの、路上の星の、輝きを
頬に汗の伝うままもう一度、踏み出せば
旅の歩調は何処までもゆくだろう――
胸の鼓動は何処までも高鳴ってゆくだろう…
夏の日に反射する道は未知へ繋がり
僕が僕になる為の
題名の無い今日の舞台へ
交差点のシグナルが、青になる。
自由詩
少年の靴
Copyright
服部 剛
2013-08-31 23:38:32
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