シマウマ
nonya


シロとクロの
誤魔化し切れない感情が
胸の奥を過る

シロとクロの
縞模様のウマの形が
意識の端を歩いている

草食系も肉食系も
一緒くたにして
懇ろに混ざり合わせたはずなのに

胸の奥の遊休地に
灰色のグラデーションの
サバンナを実現したはずなのに

たった一頭あるいは
トリオやカルテットで
シロとクロの
くっきりとした縞模様の
わだかまりが駆けていく

見て見ぬふりをすれば
馴れ馴れしく擦り寄ってくるし
核心の尻尾に触れようとすれば
するりと身をかわす
とても厄介な連中だけれど

すべてを灰色のグラデーションに
取り込むことなどできないから
ウマの形をした違和感を抱えたまま
大人っぽく生き長らえている

シロのクロの
と言ったところで
とりあえず今日が晴れていれば

それだけで良い




自由詩 シマウマ Copyright nonya 2013-08-31 11:03:35
notebook Home 戻る