wadachi
梓ゆい

すり抜ける右手と

後ろ向きの背中

静かに見送りながら

小さくなるのを待つ。。

(断ち切れなかった、未練の様。)

すれ違うカップルの声が

右手と同じ様にすり抜ける。

踏み潰した吸殻

正負との葛藤を繰り返してはいるのに

(怒りを、ぶつけてしまった。)

(消去ボタンを、押してしまった。)



      一人ニナリ



                       孤独ノ中デ生キルト


 
          感ジ取ッタ日

                               命ノ呼吸モ


     (静かになる。。。)


ヒールの折れた、片方の靴

持ち手の取れた、トートバッグ

壊れたものだけが

明確なものをみせてくれる。。


自由詩 wadachi Copyright 梓ゆい 2013-08-31 06:41:32
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