瞳孔
アラガイs


叶うのは月がすれ違う朝に
堕落した瞳は夜を溜める
染み付いた酵母の切れ端
拡げられた紙の虚しさ
わたしは痺れもしない
いつものように射精する
朧気なめまい
滲む墨の文字をたたみ
失う文字の様を認めて
次の頁数へと捲る
宛ら薄められていく
わたしの中にある潤沢な雲母よ
散り去ったsaidに
笑えるか
、泳ぐ獣たち
その覗かれた扁桃部
直視できない祈り
熱を覚ます澱
したためはしない
文字はきみを堕胎させる
閉じられた瞼の透し
、薄く灌がれ
月は滲む
渇ききる前の
瞳は来るべき夜と開かれるものへ 。











自由詩 瞳孔 Copyright アラガイs 2013-08-30 16:47:55
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