そしていつの間にか100年が経っていた
自転車に乗れない女の子


一昨日の夜
世界中で槍が降ったので
わたしはネズミイロの箱の中にうずくまり
ひとり寂しく鳴いていました

昨日の朝は
庭に星のかけらが降ったので
わたしは爪に塗ったマゼンタをそのままに
窓の外を思い鳴いていました

だからなんだというけれど
槍が突いた肉片と
星が貫いた願いを
わたしは今日から
ひとつずつ拾い集めるために
扉を開けることにします





自由詩 そしていつの間にか100年が経っていた Copyright 自転車に乗れない女の子 2013-08-27 01:16:53
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