鏡
梅昆布茶
僕は世界に愛されているのだろうか ずっと不安だった
母の瞳の中に 僕はいたのだろうか そしてあなたの瞳のなかに
それらは僕の生を映す鏡 だからずっとみつめていたかったのだ
おなじものをおなじように感じたかった
マス・コミュニケーションなんていらない
ただそのパーソナル・コミュニケーションさえあれば
じゅうぶんに生きていけると思ったんだ
光りは散り散りに反射して 僕を惑わせる
僕の深いところから甦る童話を繰り返し繰り返し
話し続けていたかった そう僕の無意識の領域について
テレビの画面には決して映らない物語を聴かして欲しかったんだ
君の鏡に映る空や風や深い森や湖の神話を
インターネットや映像にのらない でも僕を震わせ続けてきたもの
いつかその澄んだ鏡の木漏れ日の午後を
不思議な気持ちで一緒に 散歩してみたいんだ