スターマイン
Seia

唸りをあげる牛蛙に
鈴虫が息を潜めて
全休符を待っている

扇子を握りしめると
じわり
汗が手にかえってきて

適当に舗装された
あぜ道の輪郭がゆれて
溶け始めている

瞬間、光る、青、赤、緑
内蔵、響く、破、裂、音

行かなきゃ

携帯は繋がらない
だから繋がれない

なんて考えそうになり
振り解くように早歩き
で人の群れを通り抜け、る

別に一生会えないわけじゃない
のに一生会えないような気がした
のは一生会えない人を思い出すから

青、赤、緑、

あんなに握っていた扇子は
どこかへ落としてきた

破、裂、音、

かき氷屋の行列に並ぶ後ろ姿を
これからずっと覚えている


自由詩 スターマイン Copyright Seia 2013-08-25 21:23:48
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