あけび
川上凌

ばいばい

さよなら

またあした。


けんかした日のかえりみち。

道端につぶれた木通あけび

避けるようにとおります

ふんでしまったらさあ大変

靴の底に呪いのネバネバがくっつくような気がします

じんせいで一度も踏んだことなどないのにね


ばいばい

さよなら

またあした。


知っているのです

既視感デジャヴのおかげでしょうか

つぶれた木通あけびがネバネバしていそうなことも

余計なことを言ってしまったら

あなたとの距離が遠くなるかもしれないということも。

けれどわたしは学ばずに

するりと口から“余計”を落っことす


朝、一緒にみつけた木通あけび

かえりみちでは潰れていました


ばいばい

さよなら

明日こそ

きっときっと、明日あけびこそ


つぶれた木通あけびをみて

あなたと一緒にわらいたい









自由詩 あけび Copyright 川上凌 2013-08-23 23:33:59
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