一鉢のカーネーション
朝焼彩茜色
色褪せたカーテンを捲ると ベランダに小粒な
カーネーション一鉢
猛暑の今も咲かせてしまって申し訳なさに少し喉が渇く
三ヶ月前 ノルマで給料引きされた縁の一鉢
カーネーション
まだ魅力はわからない
ただ妖精はその魅力に惹き込まれているのはわかる
細い葉が艶かしく垂れて 細かなフリルをキュッと束ねて蕾は最盛期に夏にも挑戦を挑む
喉の渇きを潤す 心の強いカーネーション
パッションピンクの花弁 どんな意図があるのだろうと妖精に翻訳を頼む
・・・・・・
なるほど自由だそう
カーネーション一鉢
清らかな秋にもっと魅力を増してゆく 小粒な一鉢
もうすぐだよ
そして
ありがとう