私の中の劇場
yamadahifumi
例えば、私という人間は
この滑稽な劇の中では
脇役の中の脇役・・・背景に過ぎないという
そんな「常識」がある
そして、この劇の主役というのは誰だろうか・・・?
例えば、「木村拓哉」であり、「イチロー」であったり、また
現総理大臣であったり、また海外でも活躍する女優などであったりするのだろうか?
・・・そして、この劇を見ているの誰だろうか?
・・・おそらく、それは私達、背景に過ぎない人物で、私達は
普段、自分達が背景としてしか存在していない事に鬱憤を感じて、そうして
この主役とおぼしき人物達にときどき、トマトなどを投げつけたりして
そうやって溜飲を下げたりしているのだろう・・・
ところで、そういう事に気付いた私は
この「生」という滑稽な舞台から、五流役者としてのポジションを
もう失いたいと考える・・・
すると、全てのざわめきは消え、私は完全な孤独になる
私は知っている・・・光の当たらない所に人は存在できない事を
だから、それから、私は自分の内面に
たった一人、私のための劇場を造る事にしたのだ・・・